スピーキング

英検一級に一発合格した時の話

今回は書評やネタバレ感想ではなく、その昔自分が英検一級に一発合格した時の思い出話をしてみます。

英検一級に一発合格した話をする気になった理由

18歳で英検一級に一発合格したけどなぜ10年ちょい経った今頃になって英検一級合格当時の話をしようと思ったのか? ですが、まあ理由はこんな感じ。

  1. 単純にこれまでどこにも書いてなかったから(公の場でわざわざこの話をした記憶もない)
  2. とはいえ英検一級合格するまでにやった英語学習がそれ以降のTOEFL iBT  115, IELTS OA 8.0達成などへ続くアカデミックな英語 Academic Englishの学習への「基礎」であったといってもよいので、やはりこの頃の話は記録しておきたい
  3. 18歳当時の紙の日記の内容だけど今せっかくブログがあるし、これから英検一級に挑戦したいと考えてる地球上のどこかの誰かの参考になるかもしれないので共有、というのも当ブログの主旨にピッタリである
ラブクラフト
ラブクラフト
すべてはそこから始まったってか。「はじめての女」みたいなもんか(ニヨニヨ
J3
J3
ラブクラフトさんそんな言い方止めて下さい

まあこんなこと言うと

10年ちょい昔の思い出話だけど、それって参考になるの?

というツッコミが入りそうですが、まだまだ参考になる部分もあると思ってます。

なぜならこの手の試験の性質上、試験主催団体側としてむやみに難易度を変化させると語学力を測る尺度としての信頼度がそこなわれるので主催者である英検協会側も大幅に難化・易化させることを嫌うから。

よって今でもおおまかな話としては要点とか勘所はほとんど変わっていないんじゃね?と考えています。

ラブクラフト
ラブクラフト
たしかにコロコロ難易度変えたら信用にかかわるよな
J3
J3
そのへんは大学入試だのTOEFLだの IELTSでも同じことですね

それと今のうちに断わりを入れておきますとこの記事は

  1. すでにある程度英語力(英検準一級に余裕で合格したレベル)がついており
  2. けっこう短期決戦狙いの人

向けかもしれません。

例えば40代社会人の方がいわゆるおとなのやり直し英語をやる!と一念発起し何度も不合格出しながら苦節10年で合格を勝ち得たみたいな話とはかなり異なる話なので、その手の話を期待している方は期待を裏切られる可能性が高いです。その点はまずここで一言お断り申し上げます。

あ、あと「英検一級合格証スクショも出さずに合格体験談出すな」という寝言は寝てから言って下さいね(笑) 僕は原則ノマドなので10年前にゲットしたその手のものはとっくに行方不明になってます。なんせその1,000倍くらい大事な日本の運転免許証ですら今住んでる国に転居した際に紛失して日本に一時帰国して再発行のお願いしたくらいの人なので、どうぞご勘弁をw

英検一級に一発合格した話 当時の状況は?

ではまず当時の僕の語学力スペックと当時の状況です。

  • 海外居住経験ゼロ、鹿児島市在住のドメドメ少年18歳
  • そこそこの進学校に通っていたせいか英語担当教諭K先生(当ブログに時々出てくる人)がガチのバイリンガル日本人しかも担任だったので、彼から無料サポートあり
  • 英検一級合格を意識した学習を始めた当時は高校3年生。高2で英検準一級に合格ずみ
  • 某米国4大合格を狙っていたのでTOEFLiBT (とIELTS)受験準備も進めていた最中で、その隙間時間をぬって英検一級狙う生徒らに混じって英検一級を受験
  • 結果、4か月くらいで1次2次ともに英検一級一発合格

英検一級に一発合格した話 リーディング

一番活用したのは旺文社の過去問問題集。

あと英検協会が出してる公式の過去問(⇦リンクです 現在は公式サイトから無料で誰でも過去3回分だけ取得できるようです)

それから上に書いた通り米国西海岸にある某四年制大学に合格するためTOEFLiBTでスコア100超える必要があったのでTOEFL公式問題集をメインにやってました。

さて一級合格のためには英字新聞は必須ではない、という意見が巷で見られますがじつは僕も同じ意見です。たしかに「英語ネイティヴが読む記事に多く触れる」という意味ではとてもおすすめなのですが…

問われる語彙レベルが明確に制限された、しかも受験テクも確立されている英検一級という試験に合格するという目的を最短時間で達成する、ということを重要視している人には英字新聞購読は必須ではないと思ってます。

むしろ当時の僕みたいなドメドメ勢には「日本語」の新聞を読む方が英検一級合格のためには有益かつ近道であると感じます。

ラブクラフト
ラブクラフト
それはなんで?
J3
J3
そこは英検一級の二次面接の準備にも大いに関連するのですが、ざっくり言うと英検一級一次ライティングの頻出トピックが存在するのでそれらについて書けるようにするには普段から日本語で良いので新聞読んで意見をまとめて英語で書くのが効くんですよ。しかもそれは英検一級二次面接スピーチ準備にもかなり役立つんです
HOW TO IMPROVE ENGLISH READING SKILLS
英語のリーディングが遅い・読解力向上したいあなたへ【特訓法】「英語のリーディングが遅い」「英文読解力を向上させたい」とお思いのかたも多いと思います。では英語のリーディング力向上のためには、どんな訓...

英検一級に一発合格した話 ボキャブラリー・単語の増強は?

当時はTOELFiBTで100点超えることを最優先していたのでそれ用の単語集を使って暗記していた。当時実際に使っていた単語集を探したが見当たらないので似たような類の本をここに貼っておきます。

*これ表紙にスコア60~100って載ってるけどこの手の単語集って僕はだいたいざっくり覚えた程度で、あとはTOEFL語彙に関しては公式問題集グルグル回す中で自分で英英辞書引いて単語覚えてましたね。

とはいえ英検一級に特化した単語帳というものも市販されていたため、当時すでに有名だったこのシリーズから一冊入手しました。

ただしこれを使って語彙増強するぞ!という使い方ではなく、自分が今どれくらい語彙があるか試す意味での確認作業をしてました(一冊まるまる完全暗記!とか意気込んだところで人間どうせ忘れるんですよ(笑)

ちなみに一級用ボキャブラリー・語彙サイズ増強については英検一次合格を知った瞬間から一切やめて2次面接の準備に割く時間を増やしました。この時期には新たな語彙を仕入れるよりも手持ちの武器をうまく使いこなすことに集中すべきと考えたからです(まあどうせ真のラスボスTOEFL打倒用の語彙強化はやるもんねと思っていたせいもあります)

 

英検一級に一発合格した話 ライティング対策は?

僕は高校の英語担任教諭に作文添削してもらっていました。一番活用したのはやはり旺文社の問題集と英検協会が出してる公式の過去問(これは現在は公式サイトから過去3回分だけ取得できるようです)

これは二次面接スピーチのことになってしまうのですが、できるだけ一次試験ライティング対策をする時点から二次スピーチ対策も同時並行でやっておくのをおすすめします。巷でよく言われることですが、

  1. 一次英作文問題と一級二次面接スピーチはかなり密接に関連しているから
  2. 二次面接スピーチ準備をなめてかかって実力はあるのに単なる準備不足で本試験で玉砕する例がすごく多いから

英検一級に一発合格した話 リスニング対策は?

上の方ですでに述べたリーディングの部分と同じで、一番活用したのはやはり旺文社の問題集と英検協会が出してる公式の過去問(これは現在は公式サイトから過去3回分だけ取得できるようです)

あとはTOEFL公式問題集。これも上でも述べたとおり当時は米国4大合格狙いでTOEFL対策していたから。

試験のために数多くの教材やるのは非効率的だという主義を中学生時代から貫く人なので、英検一級合格した時も少数の良質な教材を何度も繰り返し間違いつぶしして満点とれる状態で受験しました。

英検一級突破に限らずあらゆるリスニング向上で個人的におすすめしたいのが

「英語ネイティヴの喋りのリピーティング

です。一つの文まるまる聞く➡リピートする、の方が細切れフレーズのシャドーイングよりも断然リテンションやリスニング(おまけにスピーキング力も)の向上につながると思ってます。

英検一級に一発合格した話 2次試験の面接対策は?

まず一級の2次試験面接スピーチ対策を始める時期についてですが、その前にドメドメ受験者が知っておくべき点はこの試験で受験者の4割が不合格になるという事実です。

これはほぼほぼ全員がスピーチ対策が間に合わなかった・あるいは舐めてかかって自爆するからだと僕もK先生も思っています。ですのでこのような憂き目をみなくて済ませるためには、やはり1次試験準備の時点から2次スピーチ準備をしておくのが得策と思います。

ラブクラフト
ラブクラフト
近年はバイリンガル小学6年とか中学2年とかで英検一級合格したとか宣伝してるぞ。まあ帰国子女やよほど英語力に自信がある勢は2週間くらいでサクッと合格するけどな
J3
J3
そうでないドメドメ勢の我々は落ちたくなかったらわざわざそんな危ない橋を渡るマネしない方がいいです。あとどうせやらなきゃならないんだから、早め早めに始めるのが鉄則ですよね

次に、英検一級はTOEFLや IELTSと比べると発音やプロソディ(話す抑揚・声の高低)等の「喋り方」については厳しくない感じです。

しかし(ほかのいかなる試験もそうだが)英検特有の傾向と対策というものは存在するので、当時は頻出トピックや王道の回答スタイルを高校の英語のK先生と分析して2分スピーチ原稿書いて暗記して練習をしました。

現在だったら王道の↓この面接特訓本で暗記すると思う(この本にも頻出トピック分析が載っている・スピーチで使い勝手の良い表現集もついてる・質疑応答モデルまでついてるのでかなり使える。残念ながらこの本が出版されたのは僕が合格した後だったけどね(笑)

*ただしこの「暗記する」は全文暗記するためではなく各スピーチ原稿の『要点』を暗記するためにやった作業なので要注意。

へんな言い方だけど、たとえ暗記しても細かい言葉選びとか表現は多少忘れちゃってもよいという「ある種のあきらめ」が重要ポイントだと思ってます(笑)

なぜ全文暗記じゃないのか?というと、実際にスピーチスクリプトを一語一句吐き出そうとするのって「自爆への近道」になりがちなんですよ。

なぜ自爆しちゃうか?どこかの知らない誰か(しかもその道の訓練を受けた人)が書いたネイティヴチェックずみの模範解答を当時のドメドメの僕とかが一語一句思い出し吐き出そうとしちゃうとガッタガタで不自然なスピーチになってしまいがちだからです。

要するに英検一級二次面接で一番大事なのは

  1. 自分の言葉で一貫して筋を通して喋る
  2. 緊張で言葉に詰まったりしても決してあきらめない
  3. 面接官からの質問でひとつでも不明な点があれば速攻で聞き返し確認する

に尽きると思います。そして次に大事なのが

  1. 英語の基本の型を素直に使おう
  2. 自分の立場(=結論 英検一級の場合はすべてyes or noで片付く)を最初に明らかにしダラダラ話さない

ですね。へんに前置きが長くまどろっこしい話し方が日本では当たり前とされているけど、英語で話す場合(とくに英検一級二次面接の場で)これをやるとアウトです(聞き手がイライラするし英検一級面接でそんなことした日にはあっという間に2分のタイムリミットが来ちゃって時間切れで玉砕する)

そういえば以前も↓この記事で英語の基本の論理展開の仕方と日本語独特の話の進め方との違いを説明してましたね。

cannot speak english
英語で言いたいことが出てこない場合の【スピーキング特訓法】「英語で言いたいことが口から出てこない、喋れないから悔しいです。私は英語で読み書きできるしリスニングもできるのに… (嘆」 という...

次に実際の練習ってどうやったの?他者の指導は受けたのか?ですが一級二次面接の練習には高校の英語教諭の恩師K先生か、K先生が不在の時にはK先生の友人の鹿児島市在住某カナダ人氏に練習台になってもらいフィードバックを貰いました。高校卒業前に英検一級合格する生徒が数名いるような学校に当時は通っており、K先生が一級受験者の特訓もやっていたのでこれは恩師K先生に感謝。

そして面接準備の一環として僕が全力でおすすめするのが、

自分のスピーチを録音、できれば録画までして確認する

です。ドメ勢がこれをやるとまず自分の発音やプロソディが自分の頭の中の想像とまるで違うのでそりゃもうハゲるほど驚愕します(←言い方..

しかしこれ、ものすごく大事なのです。だってたいていの人はこれやらないんだから。で、やらないから自分の英語の喋りのどこがマズいのか何年も何十年も気づかない、というループに陥いっちゃってる例が多いのです。

ラブクラフト
ラブクラフト
現実を自分の目で見るところから改善・向上は始まるのだ
J3
J3
それら欠点を洗い出し改善させる余地がある部分は改善させるためにも【自分の英語スピーチを録音】が最適なんです

英検一級に一発合格した話 まとめ

記事の冒頭でも書いたけど英検一級合格はアカデミック・イングリッシュの基礎・入門編みたいなもので、実際は「英語ネイティヴの15歳16歳辺りの語学力」だというのが実態では?と考えてます(これは僕の周りの英語ネイティヴ数名に英検一級の問題見せて聞いた結果とネット上に散らばる英語ネイティヴからの感想の総計)

ラブクラフト
ラブクラフト
英検協会や文科省が英検一級は大卒程度の英語力とか宣伝してるからへんにプライド高い人もいる感
J3
J3
あれって『日本の文科省の教育要綱基準で』大卒レベルの語学力って言ってるんですよね。英語圏の大卒を指してるわけではないです

…などと言ってしまうと毎回ものすごーーく機嫌を損ねる方々が現れるのだがここで不機嫌になってスマホ画面に向かって叫びだす前に、ちょっとだけ待って欲しい。

15歳というのは大抵の先進国で「義務教育が終了する年齢」であるので、実際多くの国で発行される新聞は15から16歳の国民が読めるように知識・語学レベルが設定された上で書かれています。日本もそうですよね。

ということはつまり「英検一級レベルにある人は英語圏の新聞が読めるレベル」にある、とも言えます。

これ、単純にすごいことですよ。だって英語圏の国々には英語ネイティヴでも新聞が読めない人々はごまんといるのだから(ヒント: 識字率)

だからなにも不機嫌になったり恥じたりする必要など全くないんです。むしろ誇りに思って良い。だって英検一級合格したという事実によって、言語学的に英語からものすごくかけ離れている「日本語」のネイティヴのあなたが、これだけの語学力を身に付けたという計測結果が出たのですから。これは決して小さいことではないのです。

僕自身の経験から言っても英語学習でいちばん苦労したのってこの英検一級合格達成する辺りまでで、それ以降の語学における苦労度はあの18歳当時を思えば、ぶっちゃけ「へ」でもないです。

この段階以降はなんというか、英語で思考するとかパッと短文を作ることがけっこう自然にできるようになっているので読めば読むほど書けば書くほどひとりでに英語運用力が上がっていく感じなのです。

というわけでそんなひとりでに英語力が上がっていく世界に足を踏み入れさらにその先を体験してみたい方、またはこの【アカデミック・イングリッシュへの最初の関門】を乗り越えることに興味が少しでもある方々は、ぜひ英検一級打倒に挑戦することを僕はおすすめします。

ラブクラフト
ラブクラフト
で、TOEFL iBTで115とったりIELTSでOA8.0とった話とかはせんのか?
J3
J3
してもいいけど英検一級突破の頃と比べるとあまりドラマ性がないというか、つまらないんですよ。かなり修行僧みたいな感じで…あとほぼほぼ需要がなさそうなんですよねえ…TOEFLとかIELTSとかって皆さん受験しないし。まあそのうち記事にはします(この手の情報売ったりコンサルしたりして稼ぐぞ!という欲が無さすぎ
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英語学習と洋書のブログ管理人のJ3です。 東京とシンガポールほか諸国出張巡りしているけどコロナ禍沈静化しても地獄の円安インフレで日本へ永住帰国できそうにない日本人。主に英語のブラッシュアップたまにシンガポール生活について発信しています。Twitterやってます。

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