「アニメとYouTubeで日本語を覚えました」
という外国人の方たちに関するツイートをキミハル@元外交官の英会話 @kimi_englishさんがしていたのですが、じっさい私の周りの日本語学習者の人たちもこのパターンが本当に多いです。
(ラブクラフトさんはそういうの興味ないタイプだな。しかもなんかレイシストぽいしw)
アニメとドラマで外国語を習得?
中でも印象に残っているのが、私の元同僚 (中国出身、日・中・英・韓・仏に堪能)で、
「はじめは日本の漫画の『BLEACH』が好きになり、そこからどんどん他の日本のアニメを観るようになって、日本語は学校で勉強したことはありません。いまでは日本のお笑い・漫才も観て楽しんでいます。日本語でツッコミいれることだってできます」
と言っていました (ただ言ってるだけでなく実際に流暢)。
どうやら「BLEACH」は中国人・華僑にはすごく響くものがある様子です。
どういうところが好きだったのかと聞いてみたのですが、
「『斬魄刀』の名前をそれぞれ知ると、その響きの美しさにハッとする (中国人の眼にはあの独特の名称の漢字表記がとても美しく映る)」
「ルキアが鬼道を発動するときに唱えるincantationのフレーズがいちいち美しくて感心する」
「あとやっぱり、衣装!」(予想通り…)
といった魅力のポイントが大きいようです。
たしかにBLEACHのアニメが海外で観られ始めた2000年代初頭、アニメでこの手のジャパネスク風な要素を全面的に打ち出しこれでもかとふんだんに作中に盛り込んだ作品はあまりなかったかもしれません。
たしかに一つありました。「NARUTO」を忘れてはいけない!!
この作品もだいたい同時期に海外で観られるようになり、まず米国の小中高生の子供たちの多くに『将来の夢は忍者!』と言わしめるほど大人気になったものです。その後2005年~ 2010年頃にはついに世界中で【世界一売れてるゲイカップルマンガ】として諸外国の腐女子に爆発的な大人気となってしまい、あとはもはや伝説。
外国語習得を加速するための一番の秘訣とは
つまりこの人たちが多言語と比較してもとんでもなく難解な日本語という言語を爆速で習得できたおもな原動力・推進力は、
「とにかくカッコいい・とても関心魅かれるから、もっと詳しく知りたい」
といった、心の内から燃えるような渇望・憧れ・興味なのです。
これらは人間の心理の中でほかの心理状態と比べても、とりわけ非常にパワフルな推進力を発揮するエネルギー源です。
なにしろポジティブで元気が湧いてくるような動機に発していますから、言語の学習中もあまり疲れが気にならなくなります ( ここすごく大事!)。
私が周囲の人たちに英語学習について話すときに、
「ご自分が興味魅かれる分野・ご自分の専門分野について英語で書かれた本を読む・オーディオブックで聴く」
を機会あるごとにお勧めするのは、まさにこれがいちばんの理由なのです。
しかしその一方で日本では、
「勤務先がTOEIC受験しろって言うから」
「周りが英語勉強しろって言うから」
「周りがやってるらしいからやりなおし英語をなんとなくやってるだけ」
という人も少なからずいらっしゃるわけですが…
このような理由でイヤイヤやらされる英語学習ではたんなる苦行・拷問になりかねません。
それでは挫折しても仕方ないし挫折する確率がとても高くなってしまいます。
いや、むしろ挫折しないのがおかしいと言った方が妥当なのかもしれないです。
すごく知りたい情報が英語でしか入手できない? あなたはラッキーです
幸運にも、
「これについてすごく知りたいんだけど、詳しく書かれているソースが英語のものしかないんだよね」
こういう対象がある英語学習者のあなた。
あなたはもうそれだけで、ほかの皆さんよりかなりのアドバンテージがあると言っても良いくらいです。
英語を読む・聞くについてはそれらの技能の練習がほとんど苦にならなくなるから、あなたの英語力向上が爆速化する可能性は高くなります。
いや、爆速化することがほぼ確定と言えるかもしれません。
この「すごく興味があるのに英語でしか良い情報が入手できない」のひとつの実例として、管理人がやむを得ず英語で調べて書いた記事をここに貼っておきますね↓↓
上の記事は管理人がこの数年間興味を魅かれていたロシアの某事件について2020年7月に新発表があったのに、日本語では3年前くらいの古ーい情報しかネットに見当たらないので業を煮やして英語で調べたところ、新鮮で詳細な情報がゴロゴロ転がっていたので調べ回って書いたものです。
興味の対象について英語で調べてみよう
そして現在もし「どうしても知りたい!でも調べるためには英語を学ぶしかない!」という強い興味の対象や燃えるような動機を持たないという英語学習者のあなた。
このグループに入る方も、ご自分の心の中になにかひとつは
「小さいころから継続している趣味」
「専門を極めたいと思っている分野」
「演奏するのが好きな楽器」
「好きなスポーツ・憧れのアスリート」
など、いつも心のどこかに置いている興味の対象があるのではないでしょうか?
「興味の対象について英語で調べてみると意外な発見があって、目から鱗が落ちるような体験をする」
ということはけっこう起こります。
ぜひそれらについて英語で調べてみるということを試してみて下さい。
また、実際に調べてみると日本語で書かれた情報よりも英語で書かれている情報のほうがずっと豊かで深かった、ということもしばしば起ったりします。
よりいっそう英語で読みたくなる興味を引く導火線はそういったところに意外とあったりします。
ぜひ「興味の導火線」を探してみてください。見つかったらそれはとても幸運なことです。
まとめ: アニメとYouTubeで外国語を習得できるのか?
では今回のまとめポイントです:
- 昨今の日本語学習者の若者たちはアニメとYouTubeで日本語を鍛えている
- 心の内から燃えるような渇望・憧れ・興味が日本語学習者たちの向学心の原動力である
- 同じような燃えるような興味・憧れをもってすれば高速で英語はマスターできる
- まずは現在の興味の対象を英語で調べてみよう
ここまで書いて思ったのですが、上であげた日本語学習者の方たちの場合、アニメとドラマの世界に対する燃えるような憧れ・ポジティブで前向きな「好き」という思いが学習の大きな原動力だったわけですが、もしかしたらそれほどポジティブな動機でなくても良いのかもしれません。
(もちろん、できれば心理的安定を得るためにはポジティブな思いの方が好ましいのですが)
この記事を読んでいる読者の皆さんの中には自分の英語を公衆の面前で笑われたり、馬が合わない同僚に英語力検定テストのことで気に障る言葉を投げられたり、といった悔しい経験をしてきた方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような悔しい経験をバネに「いまに見てろよ!お前ら全員見返してやるからな!」と燃える闘志を武器に英語力向上に取り組むことも十分ありです。ありありです(管理人自身もこのグループに属します。何度も英語が母語・第一言語の人たちに笑われて悔しい思いをしてきました)。
何よりもいちばん大事なのは「胸の中で燃えるような思い・消えない炎」を持って英語力の向上にあたるということなのだと思います。
漫然と惰性で動作だけをイヤイヤ繰り返すような、学んでいるふりをしないために。